夏休みを来週にに控えたその日、5人の中学生は金欠で悩んでいました。 夏休みにこづかいすっからかんなんてたえられない! そこで5人は考えた。 新聞に広告を出して宣伝するの。 「中学生五人組、なんでもやります!」って。 お人好しのリズ、格闘マニア(?)なサニー、のっぽでスケッチ屋のトム、パソコン使いのニックに美人のリッチェル。 個性的な中学生が地元を舞台に大活躍! なんだよ、結構面白いじゃないか! 表紙の可愛さにひかれて手にとってみたのですが、お話もあなりよかったです! 広告を出しに行った新聞会社で早くも初仕事をゲットしたティーン・パワー株式会社。しかしこの新聞会社は問題を抱えています。それを解決していくのが今回のお話ってわけさ! 途中で新聞会社の跡取り息子・エルモも加わります。地味で目立たないっていっていたけれど…? 登場キャラクターが可愛くってねぇ。 美貌ですべて切り抜けられると思ってそうなリッチェルとかがなんとも楽しい。 そして、私が注目したのはサニーです。運動神経抜群でテコンドーを習っています!そして小柄!窓から飛び降りた後のサニーの笑顔に乾杯だ!! この作品はシリーズでたくさんお話があるらしいので続きが楽しみです。主人公は毎回変わっていくみたいだしね。 |
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『記憶の国の王女』/ロデリック・タウンリー ★★ 読まれなくなった物語の主人公シルヴィは、やけになって掟破りの行動にでる。 久しぶりに本を開いてくれた読者を、さし絵のなかから見上げてしまったのだ。 「本が開くぞー」というか声で幕を開ける摩訶不思議な物語。 (本著カバーより) 絵本の中の裏世界を描くお話かと思いきや、思いのほか奥の深い作品。 小さいころ夢中になって読んだ本を、大きくなっても覚えている? 今でもその物語の夢を見る? その本の登場人物達は、あなたの記憶の中で生き続け、世代を超えて読み継がれていくかもしれないし、もしかしたら消えていくのかもしれないよ? |
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『スター・ガール』/ジェリー・スピネッリ ★★★ ハイスクールの転校生スターガール・キャラウェイは不思議な子だった。 白いドレスにウクレレ、ランチタイムの儀式、風変わりなチアガール。 彼女は町はずれの砂漠に秘密の場所をもっていた…。 (本著カバーより) 平凡なマイカ・ハイスクールにスターガールがもたらした影響とは。人は彼女を愛し、そして最後は遠ざけた。 最後まで彼女と言葉を交わしたレオが今感じることは・・・? 少女の正興と転落。 「彼女は偽者?」 「本物?」 なんだかとっても不思議なお話でした。 最初っから最後まで、私はスターガールがわからなかった。何が彼女をそうさせるのか、どうして彼女がそれをするのか。あまりにも自分と離れているだけに、理解できませんでした。彼女の真実って一体なんだったの?でも、彼女の突拍子もない行動は、どうしても私たちを惹きつけたのは事実です。 最初のスピード感あふれる文章から、すぐに物語には引き込まれます。変わっているスターガールは最初、みんなから歓迎され、賞賛を浴びるのに。その次は転落です。どうして回りは彼女にそうさせるのでしょう?そして、歓迎と転落は、彼女がどこに行っても結局味わう反応ではないのでしょうか。 本人は全く気にしていませんが。気にしていないのは、そんなものを望んではいないからなのかな。 スターガール。名前のように、暗闇の中でも光り続け、上からみんなを見守っている、そんな存在ではないでしょうか。 非常に考えさせられるお話です。 |
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『きっとマのつく陽が昇る!』/喬林知 ★★☆ 真夏の海でアルバイト中、またまた流されて眞魔国にたどり着いた毎度おなじみ、おれ・渋谷有利。 ところが出迎えてくれたコンラッドたちの様子が変だ。どうやら今、こっちの世界では大変なことが起こっていて、俺が喚ばれたのもその陰謀によるものらしい。―なんて行ってるうちに、おれは敵国のどまんなかに転送されてしまった!おいおい、笑えなくなってきたぞ!?痛恨ファンタジー、驚愕の新展開! (本著カバーより) 初っ端からコンラッドが!ギュンターが暗い夜道はピカピカの!ムラケンくんいらっしゃ〜いで、おキクギュンター・雪ギュンター。雪ウサギは騎士の情けのグウェンダル! といったような、怒涛の新展開でした!(いまいち緊張感に欠ける)いやほんと、小技は相変わらずのパンチでしたが、シリアス展開まっしぐらで驚きました。これは、これまでになく大ゴトですね!どうやら魔族側と人間側に衝突の予感。果たして有利の願いは届くのでしょうか。 んでもってコンラッド〜。無事かー?無事なのか〜? そのなかでギュンターは破格の扱いです。ギュンターってどうしてふぉこまでもギュンターなんだろう(しみじみ)。 |
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『明日はマのつく風が吹く!』/喬林知 ★★★☆ 16歳の誕生日を目前に、元の世界に帰れなくなったおれ、渋谷有利。家族の顔を思い出すとちょっと胸が痛いけど、過保護で優秀な臣下たちに囲まれて、なんとか魔王業を続けている。 しかし、眞魔国でのそれなりに平和な日々は「魔王様のご落胤」を名乗る少女の登場でうち破られた。…ところでさ、ゴラクインってなに。えっ隠し子?誰の。―はぁ?おれのぉ!? 噂のハイテンション・ファンタジー、やけのやんぱち第4弾!! (本著カバーより) 有利ったら、ついに父親になってしまうのですか……。でもまあ私としてはギュンターに娘が居たってことの方が驚きですって(養女だって)。ギュンターといえば、今回もどんどん壊れています!修業体験したり日記を著してみたり悟ってみたり☆ 今回でなんだか第一部完(?)みたいな雰囲気な明日マ。締めくくりの内容としてはよかったのではないでしょうか。 |
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『彩雲国物語 ―黄金の約束―』/雪乃紗衣 ★★★☆ 彩雲国に暑い夏がやってきた。朝廷の諸官は夏バテと超過勤務で次々とダウン。人出不足を補うため、貧乏街道爆走中の名門紅家のお嬢様・秀麗に助っ人要員のお呼びがかかる。だが外朝は女人禁制、それに春先に求愛を蹴って後宮を辞した手前、城内をウロウロして王様にばったり会ってしまうのもマズイ。仕方なく返送(!?)し、こっそり仕事を始めた秀麗だったが―。 (本著カバーより) 彩雲国物語第二段。今回は前巻とは違って王道なかんじではなく、地道に国が動いてるって印象だったかな。ただでさえ登場人物多いのに、さらにまた濃いのが続々と登場しますので、持ってる人は1巻を手元に置いて読んだほうがいいと思います。ていうか登場人物紹介をつけてくれよ(願)。 内容は秀麗が変装して城内働いてアレコレ、ということで(意味わからん)、新たに登場した秀麗の上司に注目だ!!戸部尚書の長官・黄奇人。いえ、奇人って名前らしいですよ!!能吏で次期宰相候補といわれながらもなーんとも変人!その変人たるゆえんは、お顔についてるお面です…。しかもその面、口が開閉可能になっててそれで食事をするという徹底振り(爆笑)。す、ステキだ…。 そしてもちろん忘れてはいけない、王様・劉輝の犬っぷりだ!愛しの秀麗をもう一度後宮へと招くべく、黄奇人にも負けず劣らずのヘンテコな手紙と贈り物を欠かさない!(その内容は本著にて確認してくれ!)しかも王様、秀麗の気配を嗅ぎ付けるという、恐ろしい嗅覚。なんという犬っぷりだ!劉輝は王様だから特別犬様と呼んでみよう!でも、どうやら劉輝の恋の道(笑)は平たんではないようです。彼の望む形が未来に訪れるかどうか…。 楽しいお話だけれども、前回主要だったキャラが存在感薄めなのが気がかり、かな。 |
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『獅子の棲む国』/秋山香乃 ★★★★★ 会津。鶴ヶ城で、会津の兵はある男の到来を待っていた。会津が生んだ天才軍人山川大蔵を―。 戊辰戦争の敗戦から始まり、国賊と貶められた会津人たちの戊辰後を生き抜いた人生を描く。 かつて京都守護のその地位にありながら、時代の流れに崩れた幕府軍として戦い破れ、東北の斗南藩に移住し飢えと貧困に悩まされ、友を失い、何度も屈しそうになる山川大蔵。 時代はうねり、日本が外国を意識し、列強の仲間入りを夢見、大きく飛躍をする日本! 「官軍」になるということは、こういうことだったのか 政変に敗れて蜂起する会津の仇敵・薩摩を撃破し、果たして山川大蔵は会津人の希望になれるのか。 戊辰戦争後の会津復興の物語。戊辰戦争後半から西南戦争までを描いています。 なんか、もう、切な過ぎて…!戊辰戦争というと、どうしても土方さんの五稜郭に想いを馳せるところで終ってしまうのですが(お前だけだよ)、この話は会津!戊辰で敗戦した会津の、国賊と罵られながらも、いつか汚名を雪ぎお家再興を夢見て生き抜く会津藩士のお話です!! 最初っから会津、やられっぱなしです。これでもか!の勢いでやられてます。 会津は敗戦してからも薩長土政府から叩かれ、苦境に立たされます。斗南藩に移ってからの食糧難や飢えに悩まされ、お家再興の夢は廃藩置県によって消えます。どこまでもどこまでも落ちていく彼ら。泣きます。泣きました。(涙) 前半はかなり痛いですが、後半は少し救われます。なんとっても西南戦争は薩摩が国賊を背負うのですからね。 さて、この話の主要登場人物。敵陣を、彼岸獅子で突っ切った会津の誇る天才軍人山川大蔵!彼がこのお話の主人公。素敵だ…。友との友情は厚く、我慢強く、誇り高く、主への義は固く。会津の鏡です。そして、新選組三番隊隊長斉藤一。獅子の棲む国ではほかのどの作品にもないくらいお茶目さんです。他にも、話が続くにつれて日本史の教科書に出てくる著名人物の名がずらり。その筆頭は大久保利通でしょうか。 斉藤さんと大久保の掛け合いには笑わせてもらいました。髭を生やした大久保を見て噴出しそうになる斉藤さん。そして髭を斉藤さんにほめられ(笑)照れる大久保(乙女☆)。このときの斎藤さんの 作者が女性だからなのか、最近書かれたからなのか、時代小説独特の漢字が多くてカクカクっとしたような、古臭いような文章や男くささはあまり感じられなかったかも(もちろん内容は熱いよ!!)。読みやすくて、わかり易かった。笑い所もふんだんにあったし(屁戦て…笑)、なんといっても男たちが可愛かったです…。でも、決めるところはちゃんときまってましたよ!! 江戸から東京に地名が変わり、山川たちが生き抜く間に文明開化の波で江戸がどんどん姿を消す様子も描かれています。それは、あまりにも急で、切なくて。汚名を雪ぐと決めた会津藩士の山川たちの思いそのものが置いていかれたような寂寥も感じました。 |
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『ナイフが町に降ってくる』/西澤保彦 ★★★ <謎が解けなければ時間は永遠に止まったままだ>何かに疑問を抱くと時が停止するという奇癖を持つ青年末等統一郎の言葉に、女子高生真奈は逆上した。物体は静止状態。そして謎とは、眼前でナイフを腹に突き立てて固まっている男。誰が、いつ犯行を?だが真相を探る二人は、町中でナイフの犠牲者を次々に発見。ナイフの雨が町を襲った?迷宮に陥ちた二人。はたして、”時間牢”から脱出できるのか…。 (本著カバーより) 女って怖い… というのが読み終えてからの第一感想。 いやだって、真奈ちゃん…。そんな、通行人にあらんかぎりの悪戯…(恐怖)。末等さんと真奈ちゃんがいるところには出来る限り近づきたくないと思います(気がついたらなにされるかわかりません!)。 いきなり”静止状態”になってもあわてない適応力のたくましい真奈ちゃん。元凶のくせにたよりにならない末等さん。っていうか、末等さんしっかり!のコンビで話が進みます。もう、進むにつれ、わけがわかりません!なんで!?と思うくらいスッパスッパナイフの犠牲者が現れます。何故だろう。なんで?残りページが少なくなるにつれて、これ本当に解決すんのかよ、と心配までしてしまうほど! 謎とは別に、この話を大変面白くしているのが女子高生・真奈の暴走?むしろ乙女故?もうどっちでもいいけどたくましくて涙でる。 |
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『今夜はマのつく大脱走』/喬林知 ★★☆ 先日ひょっこり魔王に就任しちゃったおれ、渋谷有利。 水族館でイルカちゃんと握手!しながら水に落ちたおれは、そのまま眞魔国へと逆戻り。今度は魔王だけが吹けるという至宝、嵐を呼ぶ「魔笛」の行方を追うことに!?…ま、それはともかく問題は、指名手配の駆け落ちカップルになっちゃったおれとグウェンダル(趣味・あみぐるみ)の行く末だよな…。 抱腹絶倒のハイテンション・ファンタジー、まさかの第3弾!! (本著カバーより) やっぱり、素敵だ。長男好き☆ 美丈夫で眉間にシワ刻んだ不機嫌顔で、腰に来るワンダフルヴォイス(聞いた事ないけど)。そして趣味があみぐるみ!というグウェンダルの魅力満載です!大好きです。不器用なところがまたよいのですよ…。なんの因果か有利と指名手配の駆け落ちカップルになり、鎖で有利と手を繋がれたって、さりげに鎖の重さは自分でカバー。 脱走というよりは逃亡って感じですが、この世界の深く黒いところも垣間見られる所も。有利の課題は山積みのようです。 あいかわらすのテンションでスパスパ展開してましが、実は有利、何気にギュンターや次男の嗜好をずいぶんと理解してます。ギュンターといえば今回かなりかわいそう。アニシナ嬢登場により濡れ場激減(濡れ場て・汗)。 |
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『壬生義士伝 上・下』/浅田次郎 ★★★★★ 旧幕府軍の敗退がほぼ決した鳥羽伏見の戦。大阪城からはすでに火の手が上がっていた。そんな夜更けに、満身創痍の侍、吉村貫一朗が北浜の南部藩蔵屋敷にたどり着いた。脱藩し、新選組隊士となった吉村に手を差し伸べるものはいない。旧友、大野次郎衛は冷酷に切腹を命じる―。 斉藤一、稗田利八ら維新を生き延びた新選組関係者によって語られる非業の隊士、吉村貫一朗の生涯は、涙なしには語れないものだった。 (本著帯より) 全員が、全てを知っているわけではないのです。 各自に見方があって、人生があって、真実があった。 各自が、吉村のことを語るときは、それはもう真剣で、悪く言うやつなんかいません。何かしら、全員が吉村から感化され、「死んで欲しくない」と思うようになるのですから。 何人かに話を聞いていますが、人が語るたびに、初めがあり終わりがあります。つまり、京都から戊辰戦争へとつながっていくわけですので、その顛末を聞いて泣かぬものはないでしょう。一人につき一度は泣きます。 ・斉藤一 変わり者といわれた彼だけに、その語り口は変わっていて、でも確かに幕末を生き抜いたという貫禄も感じられて。とても男らしい、よい文であると思います。 彼が感じた憤り。 おまえは誰じゃ。いずれわれらが屍の上に、おまえはのうのうと新しい時代を生きるつもりであろう。だからこそ、それほどまでに死を怖れ、生に執着するのであろう。 ここ、名文だと思います。 |
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