|
『詩的私的ジャック』/森博嗣 ★★★☆ 那古野市内の大学施設で女子大生が立て続けに殺害された。犯行現場はすべて密室。そのうえ、被害者の肌には意味不明の傷痕が残されていた。捜査線上に上がったのはN大工学部助教授、犀川創平が担任する学生だった。彼の作る曲の歌詞と事件が奇妙に類似していたのだ。犯人はなぜ傷痕を残し、密室に異様に拘るのか?理系女子大生、西之園萌絵が論理的思考で謎に迫る。 (内容紹介より) 「英語でいえる?」犀川はすぐ質問する。 「全部、わかってるみたいですね」 犀川&萌絵シリーズ第4作目。 今回も独特のミステリーを崩すことなく展開していて一気に読みました。 どちらかというと萌絵視点が多かったかも。なのに萌絵より早くわかってしまう犀川先生すごいです。 犀川先生といえば、事件にはまったく関係ないのですがいろいろこぼれ話がありました。 N大って国立でしかも旧帝大とか、犀川先生の授業とか、犀川先生その業界では実は期待の星?とか。読んでいて犀川先生に想いを馳せました。(おい) 詩的私的ジャック、一気に読みましたがまだ未消化な部分があります。私には歌詞がよく理解できませんでしたし。(そんなに重要ではないかもですが) 犀川先生と篠崎との会話が印象的。どことなくFっぽいです。 |
|
|
『恋ヶ淵 百夜迷宮』/たつみや章 ★★★ 伊勢倉屋の手代を務める竹二は、ある日若旦那である松太郎の目付け役を主人から命じられる。二枚目の歌舞伎役者のような美男子の若旦那。お気楽極楽の放蕩息子に見える彼は言動はいまいち一本筋が外れている。 しかし、とある瓦版を読んだことからある事件に首を突っ込むことに。 猫又・対談方を巻き込んで、「恋ヶ淵の怪」、どうなりますか…。 これまた江戸の妖怪モノを扱ったお話でございました。 ちょっと変わり者の若旦那観察日記ともいえなくもないかもね。 さらっと軽く読めてしまう一冊。 大変生真面目な竹二は最初、若旦那の奇妙な発言に首をかしげているところが、なんとも味です。 でもやはり梅さんですか。すっごい魅かれたよ…。 気まぐれなのに世話焼きで家の防犯は穴だらけ。そしてちゃっかり登楼していくんですね…。ニクイよ、梅さん。 梅さんのことを話すとネタバレになってしまうかも。(それぼどのキーパーソン(?)です) 江戸の下町の雰囲気をふんだんに感じられます、和みたい人にお薦めです。 若旦那の男っぷりにも注目!! |
|
|
『ダークホルムの闇の君』/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ ★★★★ ダークホルムの魔術師大学総長ケリーダのもとに、山のように寄せられる手紙。魔術師、吟遊詩人、傭兵隊長、はてはエルフや龍まで、誰もが資産家チェズニー氏の横暴ぶりを訴えている。彼が40年前に別の世界からやってきて、この魔法世界を観光地にして以来、今や町も畑も荒れ果て、諸国の財政も危機に瀕している、風前の灯のダークホルムをチェズニー氏から救うのは誰か。ケリーダたちが神殿から授かったお告げは、魔術師ダークを名指しした。巡礼観光の到着を控え、ダーク夫妻と一男一女五グリフィンの子共たちが巻き起こす騒動の結末は? (本書の紹介文より) 簡単に言うと、どうやら私達の世界の住人(だと思われる)の資産家チェズニー氏が、本編の主人公たちの住まう世界をテーマパーク化してしまった世界だとでもいいましょうか。魔法が存在し、モンスターや龍、吟遊詩人などまるでRPGの世界がまるまるある。こんな世界をうっかり発見してしまったら一儲けしよう、と考えてしまう人間が私達の世界にはいそうだな、と思ってしまうのは私だけでしょうか。 テーマパークというものを少し思い起こして欲しい。私達を楽しませてくれるアトラクションは毎回同じ仕事をし、ナビゲーターは決まったセリフを冗談を交えながら言う。始まりがありトラブルがおこりピンチに陥り最後はハッピーエンド。こんな展開のアトラクションに覚えがあるでしょう?しかし、この小説ではそんな生易しいものではない。たとえ人為的であっても、全てがリアルで行われてしまうのです! 魔法が存在する世界なのだから魔法はもちろん、戦争があれば本当に人が死ぬし、客がいる限り何度も何度も繰り返さなければならないのです。そのたびごとに人数を調整し(しかも命を掛けて!)馬を調達、指示によっては道を変えたり家を出たり壊したり、なんかもうめちゃくちゃなんですよ。 そこで、ようやく本腰をあげてチェズニー氏を追い出す計画を実行するのです。よく40年も耐えたと私は思います! さて肝心の今年の闇の君役はお告げに従って魔術師ダークに決定。このダーク一家が災難を乗り越えながらも父を助けようと奮闘するのです。このダーク一家がDWJらしい個性の詰まったキャラクターで、一男一女五グリフィンという変わり者たち。このグリフィンはペットではなくダーク夫妻の子どもとして扱われています。さすがだ。内容の半分以上が観光巡礼団が到着するまでの忙しい準備期間の話ですが、この準備が進まない進まない(笑)。子供たちがトラブルメーカーなのはこの個性ゆえか、とおもえるほど面白いです。読んでみるとダークは結構まともな思考回路をしています。そして奥さん大好きだし。(←ポイント)愛。 準備に半分以上を費やしますが、後半はめまぐるしく展開して行きます。ラブも発生です。 後半目立つのはウロコさん。ウロコさんは頼れるおっちゃんって感じで好きです。 前半はばたばたとして膨らみすぎますが、後半に向かって急速にストーリーを絞っていく展開は見事でした。そしていつも飽きさせないストーリーも大好き。ちょっと長いけれど後悔はしません。お勧めです。 |
|
|
『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』/嶽本野ばら ★★★★ ロリータを愛し、ロココの精神を貫き通す竜ヶ崎桃子。 喧嘩上等。特攻服を着、風を感じて走り続けるヤンキー・白百合イチコ。 そんななんだか全く関係ない世界で生き続ける二人が、首都東京の隣県なれど茨城の片田舎で出会ってからの物語。 すっごい面白かった。 底抜けにおボケなイチコと、それに心ではツッコミをいれども本人にはあまりいわずに傍観する桃子、という構図が最高! 桃子も桃子で、ロココの貴族を真似て田舎の田園を歩くのですが、ヒラヒラの服に、日本の田園、むしろ田んぼ田んぼの中を優雅に歩いてみたり(これが浮いてるのなんのって・笑)、ロリータは自転車に乗らないということを実施。田舎でそれはキツイよ、とはいえどそれを突き通します。その姿はもはや孤高で気高いとまで思えてしまうほど。 イチコは特攻服で、いわゆるツッパリ(?)の精神を貫いてます。彼女、かなりの底抜けで笑わせてくれます。 イチコ大好きだーっ!! どのような底抜けなのかは、是非読んでみてから、ということで、お楽しみに☆ とまぁ、かなり異色な二人ですが、ストーリーは、友情あり、ギャンブルあり、恋あり、青春ありでめまぐるしく動いてます。 そして、二人とも確実に成長していくのです。 出来る限り成長はしない。歳は重ねても、精神はフリフリのまま。これはロリータの基本姿勢です。 でも、桃子は最後もずっとこう↑で生きていくらしいのです。 その割り切った性格が、清々しいほどです。 |
|
|
『バッテリー』/あさのあつこ ★★★★★
以上、教育画劇の紹介文より。 もう、これだけで充分ではないかと思われます…。 一巻は出会い編と言ったところでしょうか。父親の仕事の転勤で両親の田舎に引っ越すところから始まります。 田舎大将のような豪が出てくるところなどの、景色描写もきれいですし、同じく田舎育ちの私は勝手に納得。 この巻の巧は、純粋培養の俺様っぷりを披露してくれます。おちゃめなところもありますが。 これからどう変わっていくのか。私はむしろこのまま突っ走る方に一票! そして、全体を通して所々にでてくるのが家族との関係。 仕事に忙しかった父と、弟にかかりきりだった母。放っとかれたから、とは言いませんが自分のことは自分でやってしまう巧の性格はここからできてきたのでしょうかね。いつも他人のことを思い浮かべるということが著しく欠落している様子。この年頃特有の雰囲気を持っていて共感します。(私だってまだこのお年頃ですっ!) 巧の家庭事情だけでなく豪の家庭事情も込み入っています。どこの家でも何かしら問題があるということですね。 そんな感じで野球だけで生きてきた巧は、余分なこと一切無しで余計にストレートな性格なのかもしれません。まっすぐにマウンドに立ちたい、という思いだけ。 そこが若くて、巧らしくって、たまらなく好きだ!! さて、この巻はまだまだ「出会い」編。 次はいよいよ中学生です!!(学ランよ☆) |
|
|
『ぼくの・稲荷山戦記』/たつみや章 ★★★★★ 先祖代々、裏山の稲荷山神社の巫女をつとめるマモルの家に、ある日、奇妙な下宿人がやってきた。 腰までとどく長髪に、和服の着流し、アブラゲが大好きな美青年・守山さんのふしぎな魅力に、マモルはしだいにひかれていく。 そして、レジャーランド開発のために破壊されようとしている山と古墳を守ろうと立ち上がった守山さんと、マモルは行動をともにするようになる。 海に山に森に、太古から宿り、人間たちを見守ってた"存在"とその運命的な出会い、そして、明らかになった森山さんの驚くべき正体とは? いま、自然を守ることの大切さを熱く問いかける―。 素晴らしい。地球の自然環境問題を切々と問いかけてくる名作でした。現代の人間が忘れかけている、いろんな物が盛り込まれていましたね。日本独自のアニミズムを取り入れたファンタジー要素のあるお話です。 内容は、例の和服美青年と出会うところから始まり、裏山のレジャーパーク開発阻止を目指していくという展開なのですが。 なんかもう、人間イヤかも。と途中で思ってしまいました。 昔からそこにおわす神々よりも、土地の所有権を持った人間の方の都合が勝るだなんて!! 現実世界、こういう場面に遭遇したら、やっぱり法的に権利を持った人の意見が通ってしまうんだなって考えるよ余計に嫌になってきました。 「忘れないこと」がこれからにつながっていくと、そう信じたいです。 さて、なんだか真剣な暗い文になりがちですが、語りは主人公・マモルの軽い口調の一人称で語られています。登場人物も曲者ばかりです。 初めに、守山初彦さん。むしろ初音さん!?前半読んで私が口走ったことは、「こいつ、キツネのくせにネコかぶってやがったな」でしょうか。「二度とは会わん」てそんな…!(衝撃) そして一番驚いたのは鴻沼さんの変わりようでしょうか。御隠居などとよばれ、のほほんとしているかと思いきや、泊り込みまでしてしまう熱い方だったのですね。こんな大人がいてくれるって、すごい心強いでしょうね。(そして三浦さんとのオフィスラブは見所…) ああ、有名な作品だとは存じてますが、もっと多くの人に読んで欲しい作品です。 |
|
|
『レイチェルと滅びの呪文』/クリフ・マクニッシュ ★★★ 降る雪さえ黒い、暗黒の星イスレイア。zここではよこしまな魔法がすべてを支配する。 さらわれてきた子どもの奴隷たち、あらゆるものにこめられた呪文…。 はたしてレイチェルは、この星を救う伝説の「希望の子」なのか? えーと、ぶっちゃけ、続編でもモルペス出てくるよね? 読了時にはそれでけが気になって…。 内容は凄く面白かった!魔女の描写がなんとも気味悪るかったですがね! どんなに出し抜いたと思っても、しつこくしつこくやってくる魔女は見物です。 おまけで遣ってきたように思えた弟のエリックも活躍します。魔女に狙われた苦労人・レイチェルはまた地球に帰ることができるのでしょうか? いやあ、でも一番の注目キャラはモルペスではないかと思うのです。 初登場のシーンでえらく悪し様に描写されていますが、再登場した時に、私は彼って最初に出てきた人よね?と思わず第一章を読み返しました。 ええ、だって、モルペスさん、口調が若いんだもの!!! とても536歳には思えません!! そして謎はモルペスがどうして地球に戻ることにしたか、ですよね。地球に戻ったからには続編にも出てもらいたいです。私の希望ではモルペスが地球に戻るのもひとえに愛ゆえ希望です。 |
|
|
『樹上のゆりかご』/荻原規子 ★★★★ ハッシャバイ、ベイビイ、樹のてっぺん 風が吹いたら ゆりかご揺れる 枝が折れたら ゆりかご落ちる 赤ちゃん、ゆりかご、もろともに ――マザーグース 元男子校としての気風が色濃く残る都立辰川高校に入学した上田ヒロミは、女子を疎外する居心地の悪さを学校生活の中で感じるようになっていた。そんな折り、合唱コンクールで指揮をした美しい女生徒の出現をきっかけに、校内で次々と事件が起きだし・・・・・・。青春の残酷さと、伸びやかさを描く。 面白かったー。 「これぞ私が惚れ込んだ荻原規子よ」と思った作品でした。(何を偉そうに) 主人公が同じだから「これは王国のかぎ」の続編にあたるのでしょうか?それにしては全くといっていいほどの現実的。 学校、とりわけ中学や高校の、あの特殊な雰囲気が全面で感じられました。あの頃(こんな言葉使うようになっちゃって、私)は気づかなかったけど、あの学校という名の何かに守られていた頃。思春期で、不安定で、社会が見えなくて視野も狭くて。そして男と女とか、恋愛とかに未熟な時期。 そういうのを「サロメ」という作品を取り上げることで上手く表していると思う。 そして、特殊な場所だからこそ、この物語の舞台・辰川高校は二重構造として「サロメ」の世界になりえたのかもしれない。 「サロメ」と聞くだけでなんだかモヤモヤと考えてしまうのに、と思ってしまう? 最初は気づかないかもしれないけれど、後半はイヤでも「サロメ」を意識する。そして行き着く先を考えて更にどっぷりと引き込まれてしまんだ。 女子の人数が極端に少なくて、世間でいうところの男社会を感じてしまう辰川高校。 少し関係付けてあるマザー・グースの子守唄。 いろんな物が組み合わさって、混ぜ合わさって、この微妙な時期の心境や人間の狂気を垣間見たと思った。 ひろみと有里がサロメについて語っているセリフはそのままこの作品の本質とも言えるもの。 私はそのセリフを通してでしか有里の心境がはかれない。 でも、「理解できるということ」でもあったのだ。 |
|
|
『これは王国のかぎ』/荻原規子 ★★ 上田ひろみ、15歳。二十二日前に失恋したわたしは15歳の誕生日を迎えた。泣き疲れて眠ったわたしが目を覚ますと、そこはチグリスの畔、目の前にはターバンをした青年がいた。不思議な力を持つ魔神族(ジン)となったわたしは彼と都へ向かい、お受けの争いに巻き込まれてしまう。 アラビアンナイトをモチーフにした冒険の物語 そう来たか。 なんといっていいのか。わたし的には「ハールーン!!」と叫びたい。 結局ひとみがあの世界にトリップしたのはなんだったのか。 でも、十代の悩みとか、あの頃を思い出してしまったかも。 存在感の割りに思いのほか出番のないハールーン。彼からは教わるところがたくさんありました。 ハールーンは読者の期待通りにもなってくれません。(笑) それでこそ「彼」なのかもしれませんね。 |
|
|
『しゃばけ』/畠中恵 ★★★☆ 江戸の大店の若だんな・一太郎は身体の弱い17歳。両親から溺愛され、手代に身をかえた妖の者たち、犬神や白沢、屏風のぞき、小鬼たちも、一太郎のことを常に見守っている。 ある夜、こっそり独りで出かけた一太郎は人殺しを目撃。身体は弱くとも心根は強くて優しい彼は、下手人探しに乗り出す。 守られるばかりじゃイヤな一太郎と、放っておけない周りの者たちの愉快で心温まる人情もの。 ポイントはやはり、両親はじめ妖のものたちの一太郎への溺愛っぷりです。 そして、進むにつれてわかってくる一太郎の人間像。まあ、生い立ちもストーリーには重要な部分ですが、それよりも「××だったら千両は稼ぐ…」(ネタバレ)という表記しかり。そこまで言わせる若だんなは予想以上のぼっちゃんです・笑。 若だんなにいつもついてる犬神、白沢もいい味を出していますね。ちょっとおかしな主従関係。一筋縄の関係ではないようですね〜。注目注目♪ 他にも、お菓子屋の跡取りなのに菓子作りが下手な一太郎の幼馴染、岡引の親分や死んだ祖母など、魅力的な人物がたくさん登場します。 ファンタジー、時代物、妖怪、推理、など多数のジャンルが合わさった独特の世界が見事。 最後もこの作品の味が出ていていい感じです。 読んだ人もきっと若だんなを溺愛するはず! |
|
|
『続・あしながおじさん』/J.ウェブスター ★★★ ”あしながおじさん”と結婚したジュディは、夫からクリスマスに、彼女が育ったジョン・グリア院を理想的に改装するための莫大な資金を贈られる。彼女は大学時代の親友で、なに不自由ない家庭で育った若くて美しいサリーに、院長になってくれるように依頼した。新任院長として赴任したサリーは、毎日の出来事をジュディに書き送る。 前作同様、サリーの書簡でつづられる名作。 前作よりこちらの方が好きかもしれない。あまり知名度がないのが不思議なくらいに、乙女心に訴えます!! 確かに、孤児院の現実や、孤児たちやそのほかの職員たちとの抗争は見物ですし、面白いです。が、この作品はひたすらにドクトル・ロビン・マックレイを語るに尽きるでしょう! 彼しかいない!! マフィンを食べる彼にはお気をつけください! 笑顔が見れたらもう引き返せません。 一番の胸キュン☆ポインツは、ネタバレになっちゃうのでなるべく伏せるように…したいですがヒントを。抱擁の文字が出てくるところですよ!そのシーンのドクトルの台詞は天下一品ですよ! ひたすらにドクトルに愛を覚えています。 余談。所々に伺えるペンデルトン夫妻のバカップルぶりにも注目。 |
|
|
『あしながおじさん』/J.ウェブスター ★★☆ お茶目で愛すべき孤児ジルージャに突然すてきな幸福が訪れた。月に一回、学生生活を書き送る約束で、彼女を大学に入れてくれるという親切な紳士が現れたのだ。彼女はその行為にこたえて、名を明かさないその紳士を”あしながおじさん”と名づけ、日常の出来事をユーモアあふれる挿絵入りの手紙にして送り続けるが………、このあしながおじさんの正体は? ジュディのあしながおじさんへの書簡で送る長編小説。 えー、最近あることがきっかけで再読した作品。 この作品は、一度目は通読、二度目ももう一度読むことをお薦めします。そのときは是非ジャーヴィスさんの行動の意図を想像しながらお読みください。日付も気にしながら読んでみると更によし。彼が行動する前にはだいたい男の影がちらつくはず。なんかもう、必死なんです! 手紙の文面からは、大学生活が実に楽しく語られて面白い作品となっております。文面からジュディの性格もうかがえますね。明るく前向きで元気な性格であるようですv そして、数ある名シーンの中でも、やはり一番はラストです!楽しく日々を過ごす手紙の中にも徐々に展開してく恋が見えます。その恋の結末は!? |
|
|
『燃えよ剣』/司馬遼太郎 ★★★★★ 武州多摩の田舎剣士、近藤勇、土方歳三とその仲間が、清川八郎の率いる幕府徴幕の浪士組にまじって京へ上がったのが文久三(一八六三)年の二月。 紆余曲折を経て、同じ尊皇攘夷であった志士たちが倒幕へ傾いてゆく時代のなかで、ひとり近藤、土方の新選組は佐幕の道をつき進み、京都守護の会津藩の先兵となって、池田屋襲撃などを決行し、長州藩、土州藩ほかの憎悪の的になっていた。…… ―その新選組を創り上げた土方歳三は、最後まではげしく時流に抵抗し、滅びゆく幕府に殉じた。 私なんかが語るまでもなく、司馬遼太郎の国民的名作とまで言われた長編小説。 最初はひたすらエロいっすが、京に上がり、新選組を創り上げ、暗躍(活躍?)するのが前半。 あとはもう滅びるだけ、になった所からがイイ。 大政奉還、王政復古。物語の後半の始まりです。 『京は新選組隊士のそれぞれにとって、永遠に青春の墓地になろう。この都にすべての情熱の思い出を、いま埋めようとしている。』 ここからです。もう、ここまできたら何も言うまい。ここまで読んだら突っ走れ! それからは隊士たちの心情の記述もぐっと減り、ただただ戦いに明け暮れるばかりです。 胸を熱くするところや、思わず笑ってしまうところ、ほっと安心したり、もう泣かずにはいられなかったり。 最後まで走り抜けた男たちの生き様を是非読んでいただきたい! |
|
|
『ジャック・ザ・ルビー ―遠征王と双刀の騎士―』/高殿円 ★★★ 「きみの罪、七つの柱に背く大罪は、すべて、わたしがひきうけよう」 剣の腕をたよりに騎士をめざすジャック・グレモロンが、街の酒場で出会った青年オリエはとんでもないタラシ。なりゆきまかせにコンビを組んだ武術試合で、勝利を手にしたふたりだったが……気づけばなざか女城主の愛人に!? のちに遠征王と呼ばれた男装の女王アイオリア一世と、双刀の剣士―敵の返り血で朱で染まる姿から≪ジャック・ザ・ルビー≫と渾名された王騎士の、これがはじまりの物語。 絶好調の遠征王シリーズ(私の中で)第一弾です。 初めに言いますと、これは一話完結様式です。キャラは引き続き出てきますが、終始を通しての物語はまた別のところにあります。そちらも大変気になるところ。 初めからふざけてるといっていいほどのギャグの嵐です。笑えます。本当に。 ですが、笑いの中に、スッと筋の通った真剣さがあります。そのバランスがおもしろい。 幸せ、差別、身分、嘘、そして戦い… 人が本当に望むものはなんだろう。 わたしは、その数億もの星をのみ込んで、なお澄んでいられる、この大きな空になりたい |
|